■2019/11/23 海洋散骨・樹木葬って・・・

自分の遺骨は○○に撒いて欲しい。
 
この様な考え方が増えたのか、良く聞くようになった為なのか、最近では、お墓などに埋葬するのではなく
散骨を希望する人がたいへん増えてまいりした。
 
散骨とは、まず故人のご遺骨を粉骨（パウダー状に細かくすること）し、海や山などに粉末状になったご遺骨を
撒いてあげることによって自然にかえしてあげるご供養の事を言います。
 
お墓・永代供養墓・納骨堂などを購入、契約することなく、本人やご家族の意思により行えるこの散骨という
ご供養のやり方はお寺とのお付き合いや信仰心が無くなってきている現在において
多くの方々に共感されているのでしょうか？
近年では散骨を取り扱う業者も増えてまいりました。
 


当然のことながら、ご遺骨というものは、故人そのものであり、ご遺骨を自然にかえすことが目的だとしても
どこかに撒いてしまうというのは


 
そもそも法律的に大丈夫なのか？
法律ではどの様な解釈なのか？
気になっている方もいるのではないでしょうか。
 
なので、少し話をしていきましょう。
 
いままで多くのご遺骨は、墓地や納骨堂などの「墓地、埋葬等に関する法律」に基づいて
決められている場所に納骨されてきました。
一方で散骨はというと、自然に粉末状の遺灰を撒き、自然にかえすことを目的とするご供養の為に自然葬として分類されます。
自然葬とは、ご遺体やご遺骨を海や山などの自然に埋葬するなどして、自然にかえすという
考え方に基づき行われるご供養のことを言います。
自然葬じたいは、日本では昔から行われてきたご供養のやり方でもあり、自然にかえすという考え方は
仏教の教えが広まっている日本では、当たり前の考え方だと捉える人や、理解出来るという人も多いでしょう。
 
今現在では、お墓や納骨堂よりも、自然へかえすということをより認識しやすいことから
自然葬とは、散骨や樹木葬などの特別なご供養のことを意味していると思われがちですが
「ご遺体やご遺骨が自然にかえる」という意味では、ご遺体やご遺骨自体をそのまま直接、土へと埋葬してしまう
土葬のことも自然葬のひとつであると言えます。
 


それでは、自然葬に関する法律とはどの様になっているのでしょうか？
実は、自然葬を禁止する法律はありません。自然葬に関する法律がそもそも存在していないのです。
 
自然葬について法律的に問題になるとすれば、それは、自然葬を執り行う場所に何かしらの問題がある場合になります。
 
 
 
自然葬を執り行うこと自体は法律上何も問題がなくても、ご遺体やご遺骨を埋葬する時には先程も出てきた
「墓地、埋葬に関する法律」が、係わってきます。
 
つまり、埋葬の許可がされていない場所での、ご遺体やご遺骨の埋葬は法律で認められておりません。
 
結局、自然葬に関する法律が存在しない為、わかりづらく誤解しやすいのかもしれないですが・・・
 
ようするに・・・
わかりやすく言うと・・・
 
自然葬？？？何それ？？？
よくわかんないけど、自由にやっていいですよ～。
でも、埋葬するなら埋葬の許可がされている場所でお願いしま～す。
 
もし、好き勝手な場所にご遺体やご遺骨を埋葬しちゃったら・・・
「死体遺棄罪」もしくは「死体損壊罪」で逮捕されちゃうよ～。
ということなのです。
 
では、自然葬でも、土に埋葬しないで海や山へ遺灰を撒いてしまう散骨は、法律的にはどうなるのでしょうか。
それは、またの機会に・・・
 
ご静聴誠に有難うございました。


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