■2020/08/01 「お盆」って？「お彼岸」って？？超簡単に教えます。

お盆・お彼岸共に、ご先祖様を供養する大事な行事の一つです。
 
それでは、お盆とお彼岸は、時期が違うだけで同じ事をする行事なのでしょうか？
 
 
その答えは・・・ご存知の方も多いと思いますが、
時期以外にも違いがあります。
 
 
お盆とお彼岸の違いを知っていれば、きっと今とは違う気持ちで
お盆やお彼岸を迎えられると思います。
 
なので、今回は、お盆とお彼岸の違いについてお話していきましょう。
 
 
 
お盆とは？
 
まずお盆には、ご先祖様達がこの世に降りてくると言われています。
 
私達がお盆になると里帰りをするのと一緒で、
ご先祖様達も同様の里帰りをするといったイメージでしょうか？
 
ですから、お盆というのは先祖代々に渡って集まり、
一家団欒で過ごす時期と言っても良いのではないでしょうか。
 
お盆の時期は地域により異なり、７月か８月に分かれます。
 
ですが、どちらにしても13日から16日までの4日間がお盆の期間とされるのが一般的で
お盆初日の13日は「迎え盆」と言われ、玄関先で”迎え火”を焚き、
お墓参りをしてご先祖様をお迎えに行きます。
 
そしてご先祖様を家に招き、おもてなしをするのです。
 
最終日である16日は「送り盆」と言われ、玄関先で”送り火”を焚き
ご先祖様が帰って行くのをお見送りします。
 
 
お彼岸とは？？

次にお彼岸ですが、先日お話した通り、春と秋２回あります。
 
春のお彼岸は、春分の日を中日とした前後3日間の期間のことをいい
秋のお彼岸は、秋分の日を中日とした前後3日間の期間のことをいいます。
 
春分の日・秋分の日共に太陽が真東から昇り、極楽浄土があるとされる真西に太陽が沈む為に
「あの世（彼岸）とこの世（此岸・しがん）が最も近づく日」とされ、
「お彼岸」という風習が生まれたとされています。
 
よってお彼岸というのは、彼岸と此岸の境界まで会いに来てくれているご先祖様の所へ
私達もお墓参りをすることによって、そのご先祖様に会いに行くといったイメージでしょうか。
 
 
それでは次に、具体的な供養の仕方やお供え物の違いについてです。
 
 
 
お盆では、先祖がこの世降りて来るという考え方から、
家に盆棚を作っておもてなしをします。
 
「盆棚」とは、簡易的な飾り棚のことです。
 
真菰を敷き、その上にお供え物として夏の野菜や果物、ご先祖様の好物などを添えましょう。
 
食べ物以外では、キュウリで作った馬・ナスで作った牛です。
 
これは、“ご先祖様は牛馬に乗ってこの世とあの世を行き来する”
という考え方からで、この世に来る時にはキュウリの馬で早く来てもらい、
あの世へ帰る時にはナスの牛でゆっくり帰って欲しい、という
願いが込められております。
 
その他にも、盆棚の脇にはお花や提灯なども飾ります。
 
ちなみに、お盆にご先祖様の魂が帰ってくると考えられているのは、
仏教国の中でも日本だけの様です。
 
実際に、死者の魂がこの世に戻るという考え方そのものが仏教にはありません。
 
その為古くから続く先祖崇拝と全てのものに魂が宿るという神道の精霊信仰などが混在し、
この様な日本独自の風習が生まれたと考えられます。
 
 
お彼岸には、お盆とは違いご先祖様がこの世に降りて来る訳ではないので、
お盆の時の様な飾りは必要ありません。
 
彼岸の淵まで来てくれているご先祖様に会いに行くこと、
つまりお墓参りをすることがメインと考えていいでしょう。
 
お彼岸中であれば、どの日にお墓参りをして構いませんが、
正式な日取りを選びたいのなら、中日の春分の日や秋分の日を選びましょう。
 
お供物は、春のお彼岸には”牡丹餅”・秋のお彼岸には”御萩”でしょうか。
 
どちらも、季節のお花に見立てているようです。
もちろん、お花も一緒にお供えしましょう。
 
 
お盆でも、お彼岸でも、供養の為とはいえ、
お供えをした食べ物は、お墓参りの後には環境美化の為にも持ち帰りましょう。
 
そして、なるべく「仏様からのおさがり」として食べるとよりいいでしょう。
 
仏教では、「仏様からのおさがり」を頂くと良いとされ、
ご先祖様との縁を感じる瞬間でもあります。
 
また、会う事の出来ない故人と、
同じものを食べる事によって繋がれるという考え方も出来ることでしょう。
 
 
以上、お盆とお彼岸の違いをお話してまいりました。
お盆には「ご先祖様、お帰りなさい。」
お彼岸には「ご先祖様、会いにきました。」と
心の中で呼び掛けましょう。
 
きっと今までよりも、ご先祖様をそばに感じる事が出来る大切な時間になるでしょう。
 
ご静聴誠に有難うございました。



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