自殺~死を思うことで生は活性化される~
- ■2021/03/14 自殺~死を思うことで生は活性化される~
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最近ニュースで自殺の話を良く耳にします。
著名人の方、特に若い方の自殺が増えています。
自粛の影響もあってか、昨年よりも自殺者が増えているというデータもあります。
自殺は良くない!
こういうのは簡単ですが、自殺をされる方の多くは衝動的、突発的にしてしまうことが多いそうで、こういった言葉も耳に入らなくなってしまうようです。
今回紹介するお話は、自殺をされた方のその後を葬儀社の目線でお話します。
自殺をされた方は病院に運ばれ、死亡確認後、所轄の警察署に運ばれます。
これは、24時間以内に医者、もしくは医療機関に掛かっていない方も同様で、死因が確認できない要因がある場合は、警察医が検視を行います。
その際、男女問わず、裸にして検視を行います。
検視が終了すると、家族に引き渡されて、依頼を受けた葬儀社がお迎えに参ります。
その時の家族、友人の皆様の表情は憔悴されている方がほとんどです。
私たち葬儀社も、警察署からすぐご移動しなければなりませんので、家族とお話をしますが、ショックが大きくてなかなかお話ができないことも多いです。
また、自殺された方のお体は状態が良くないことが多いです。
はっきりと言えば、腐敗がひどくなっていることが多いです。
自殺をしてから発見されるまで、時間が掛かることが多くその間に腐敗が進んでしまうことが多いです。
自殺に関わらず、葬儀に来られる方は最後に故人様を一目見たいという要望があります。
しかし、自殺された故人はお見せできないこともあります。
生前とは違う姿にまたショックを受けてしまうことが予想されるからです。
早期に発見されて、メイク納棺、もしくはある程度お体を処置すれば皆さんにお見せできるようにできますが、それでも自殺された時の傷は残ります。
完全に消すことは難しく、見えない様に隠してあげるようにしています。
こうして葬儀の当日を迎えますが、悲しみから立ち直れている方はほとんどいません。
葬儀は悲しみの中行われますが、悲しさだけが満ちているものでもありません。
天寿を全うされた方の葬儀は意外に明るいものです。
地域によっては長寿を分けていただこうとお祝い事のように考える地域もあります。
葬儀は家族の死に向き合うとともに、悲しみから立ち直り、日常に戻るための儀式です。
悲しいだけで終わるものではありません。
しかし、自殺はそうではありません。
悲しみの気持ちが強く、皆憔悴している方ばかりです。
葬儀、お別れの時間が来ても、気持ちの区切りがなかなか付けられない方がほとんどだと思います。
一番に私が思うのが、故人はなぜ自殺をしてしまったのかということです。
葬儀社は葬儀だけに携わるものと、思われがちです。
しかし、葬儀の時に関わるからこそ、葬儀を迎えるまでの間に故人のことを理解し知りたいと考えています。
何も知らずに葬儀の時間を迎えることがむしろ失礼です。
以前こんな話をされたことがあります。
死は故人が教える最後の人生訓だといわれました。
人が死んだときにその人の本当の人生が見えるのだと。
そこから残された方は多くを学び知ることもあるのだと言われたことがあります。
故人が亡くなり、家族、親戚、そして多くの友人が来ている。
私たちの予想を超えて多くの方が来られたこともあります。
故人が亡くなられたことに悲しみ、そして生前お世話になったことに感謝と労いの気持ちを持ち来られている方がたくさんいらっしゃいます。
ここまでご説明をする中で一部不適切な表現もあったかと思います。
それは、自殺ということを考えたうえで今一度踏みとどまっていただきたいのです。
自殺は残酷です。そこから先には何もありません。
最後に、自殺の話をするのは危険という考えですが、これは間違いだということです。
自殺の話をすることは自殺の考えを植え付けるものではなく、自殺のことを冷静に見る機会を作ることで、危険性を減らすことが出来るそうです。
不謹慎とおもわずに今一度自身の中でお考え下さい。
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大切な人を思う気持ちを心を込めて形にします。
さいたまそうぎ社連盟
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