お葬式にまつわる話 あの風習の理由
- ■2020/07/21 お葬式にまつわる話 あの風習の理由
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葬儀に関わる仕事をしていると、様々な相談を受けますが、親戚や友人の方から聞いて、お葬式はこうしなければならないという固定概念を強く持たれている方が多くいます。
葬儀についてある程度調べてから相談される方はいますが、なぜそうするのかという理由についてまではご存じの方は少ないようです。
こちらでは、お葬式を迎える際に行う風習とその理由についてご案内します。
故人を安置する際に北枕か西枕にすることについて
故人様をお迎えして自宅へ安置する際、頭の向きは北枕か西枕にするようにして布団に寝かせます。ここまではご存じの方もいますが、なぜ頭が北か西に向く必要があるのか。
その理由は、お釈迦様が入滅、亡くなられた際、頭を北に向け顔は西に向け、お体の右側を下にしてお亡くなりになられたことが由来とされています。
頭を南か東に向けて安置をすると、お釈迦様に足を向けてしまうことになります。
これを避けるために北枕もしくは西枕に安置をするようにしています。
家の構造などをふまえて、正確に北か西に頭を向けるのが難しい方はある程度の角度で安置をすれば問題ありません。
また、この話は仏教のお話でもありますので、仏教以外の宗教の方はあまり気にしなくても大丈夫です。
故人を安置してからロウソクの火を絶やさないようにすること
安置をしてから荼毘に伏すまで、遺族が交代で側についてロウソクと線香の火を絶やさないようにするというお話を一度は聞いたことがあると思います。
今でも自宅に安置をすると一晩中火の番をされる方もいるようです。
しかし、現代では一晩中お側について火の番をするのはあまりオススメしません。
ロウソク、線香の火を絶やさないというのも、故人があの世へ向かわれる道に迷わないための明かり、と呼ばれるなど様々な説がありますが、大きな理由は別のことにあります。
それは獣よけです。
古来、人が亡くなるとそれを食べようとする獣は多くいました。
夜の間に遺体が食べられないようにするためと、安置している家に獣が寄り付かないために常にロウソクに火を絶やさないようにしていたと言われています。
以上の点から火の番をする必要がありましたが、現在ではなるべく控えてもらっています。
現代では、獣に襲われる危険性は極めて少ないことと、一晩中火を絶やさないようにつとめるのは体力的な負担が大きいです。
何より、夜間に火をずっとつけていることは危険です。
火事の危険を招く原因にもなりますので、我々も自宅へ安置した際には、線香をつけるときだけロウソクの火をつけて、それ以外の時はなるべく消してもらうように説明しています。
火の番がなくても本当に大丈夫なのかと気になる方もいらっしゃいますが、ロウソクの火の代わりに安置している部屋の電気を消さないようにしていただきます。
小さな電灯の光だけでも安置している間は着けたままにして、部屋を真っ暗にだけはしないようにしてもらいます。
部屋の明かりをつけたままにして、皆さん、夜は休んでください。
気持ちの問題かもしれませんが、現代ではこのようなアドバイスをして皆さんの負担を減らして行っています。
もちろん、昔ながらのやり方で毎晩ロウソクの火の番をされる方もいらっしゃいますので、そういった方はお体に無理のない範囲で、火の扱いには十分気をつけて行ってください。
ここまで紹介しただけでも、皆さんが何となく感じていたり、親戚や近所がやっているからという漠然とした理由でしていたことがあったのではないでしょうか。
正しいお葬式の知識を理解して、後悔することがないようにしましょう。
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大切な人を思う気持ちを心を込めて形にします。
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